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第159話 今後の予定

Auteur: 黒蓬
last update Dernière mise à jour: 2025-07-27 06:00:53

クレアさんに了承を貰った後、色々あったため説明不足となっていた部分、

先に呪文を覚えるためにダンジョンに潜ることを話し、今後の予定についてはそれが終わってからにさせて欲しいことを伝えた。

「分かりました。私の方は学園以外は特に予定もありませんから、いつでもおっしゃってください」

「お願いしておいてなんですけど、学園の友達と遊びに行ったりとかは大丈夫なんですか?確か学園祭の時も賑やかな子が一緒でしたよね?」

「あぁ、スフィリムですね。確かにあの子はよく皆と遊びに行ったりしているみたいですけど、私は家の掃除をしたり本を読んだりしている方が落ち着くので」

クレアさんはそう言って苦笑いを浮かべた。

シディルさんが困った顔をしながらも補足するように付け加える。

「どうもこの子は内気でのう。わしも気になってはおるのじゃが、こればかりは本人にその気がなければ無理をさせても意味がないでな」

「なるほどね。じゃぁ、今度そのスフィリムって子も誘って四人で女子会をするっていうのはどうかしら?」

「女子会・・・ですか?」

ミアの提案にクレアは目をぱちくりとさせて聞き返した。

「そう!今回は魔法を教えて貰いに来たけど、それとは別でクレアさんと仲良くなりたいし、クレアさんも友達と一緒の方が気楽でしょ?だからその方が良いかなって。どうかな?」

「そう、ですね。スフィリムにも聞いてみないとですが、時間さえ合えば私は構いません。そういうのしたことないので、変なことを言ってしまうかもしれませんけど」

「いいのいいの。女の子同士で集まってお喋りしようっていうだけだから。それじゃ決まりね。練習の合間の良い気分転換にもなりそうだし楽しみね!」

「私もあまりそう言う経験はないので、お手柔らかにお願いしますね」

少々強引な気もするがそう言うこと決まったようだ。まぁ彼女たちがそれで仲良くなれるなら良いことだろうと思った俺は何も言わなかった。

予定外に色々あったが当初の目的であった魔法の件は了承を得られたので、今日のところはそろそろお暇しようとしたところ、シディルさんから引き止められた。

「なん

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